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行かずに死ねるか!

 

というのは、岩本の声ではなく旅行作家石田ゆうすけさんの代表作のタイトル。

正式には

 

行かずに死ねるか!ー世界9万5000km自転車ひとり旅(幻冬舎文庫)

(amazonページ↑に飛びます)

 

岩本、ノータリンのおたんこなすに見えて読書量は割と多い方。

(だからといってじゃあノータリンのおたんこなすではないかというとやっぱそーなのだけど。おっと逸れた)

ただ悪いクセがあって、ひとたびハマる一冊に出会うともう徹底的に集中攻撃。

最終章まで読むと、すでに第1章は「少し前に読んだこと」になっているワケで、じゃあ最初から、というループをある一定期間繰り返す。

もちろん色んなジャンルの様々な作家さんの本を読むので、例えば新しく買ってきたAを読み始めたとして、

「さてもうこんな時間か、寝るかな」

というときにハマり続けているBを数〜数十ページ読み、寝る。

だから枕元にはそのとき新たに読んでいる本Aと、ハマり本B、ハマり本C、ハマり本Dというようにだいたい4、5冊が常にある状態。

 

で、『この行かずに死ねるか!』なのだけど、というより書いた石田ゆうすけさんがまずスゴいよ。

あるとき会社を辞めて世界一周の自転車旅に出る。

五大陸9万5000km。

一度も帰国することなく実に7年半もかけて。

 

あんまり書くとアレだから踏み込まないけれど、そりゃもうスゴい。

1個は石田さんのいい人っぷり。

岩本の本なんか、読まれれば読まれるほど敵が増えてしまう系の典型例なのだけど、

(あ、その理由は簡単で、腹黒い偽善者かつホントーに超テキトーな世捨て人ゆえ仕方あるまい)

そんな岩本とはまんま逆で、根が完全無欠&筋金入りのいい人だから(岩本と違って)いい人に思われようとする下心がまず、ないわけ。

そこを狙ってないからフツーに書いているだけで、もう徹底的にいい人。

例えばほら、よくある旅行記なんかでも(←ここから先を書いちゃうから岩本イヤな人になるんだよね。きょうはやめとこw)。

 

で、2個めのスゴいところ。。。

当たり前だけどスケールのデカさと本物感が半端ない。

生身の地球が相手で、石田さんはただの旅人。

出会う人からしても、その国の文化や、その地域のルールにしてみても、石田さんはただ好き勝手に生活圏に自転車漕いで入ってきたひとりの旅人。

だからこそ情けも容赦も、岩本感覚的な表現になっちゃうけど旅の上でのシートベルトも、虫除けスプレーも、お客様サポートセンターもない本当の旅人わけ。

本当は、例えば体力的にも天候なんかに対してももの凄く大変な旅だったはずだけれど、そういう悲壮感が微塵も感じられない。

本当にすごかったり大変なことを成した人って、ほら自分で「どうよ」ってしなくても事実だけで人を納得させられちゃうから「どうよ」感をまったく漂わせていない。にも関わらずやっぱりすごーく壮絶。

(それが証拠に砂漠のど真ん中で2人組の強盗に拳銃突きつけれて身ぐるみはがされるような体験も)

 

言っちゃうと、まぁその対極にあるのは多分岩本のレースとかが典型的なもので、そりゃ高温になったり、何百キロも人が住んでなかったり、36時間で辿りつかなきゃ「はいお終い!残念でした」だったりするのだけれど、これらはすべて人間が作り上げて、安全対策が徹底されていて、マーシャルも大会本部もサポートクルーやエイドスタッフ、医師がいるわけですよ。

つまり、徹底管理のもとフツーは絶対に死なない。

 

釣りに例えると(「だからなんでお前はここで釣りに例えるのよ?」の声はとりあえず無視します)、大海原をたった1本の釣竿だけで何日も遠征して魚追ってるのが石田さんで、「ほらそこ入っちゃだめ!」とか怒られながら安全な釣り堀で養殖のニジマスかなんかを釣り上げて、3匹まで無料で4匹目からは1匹500円でお持ち帰り可能、こりゃ家で待ってる里奈喜ぶぞ、みたいなのが岩本のレースだよな、とか思ってしまうのです。

 

まぁそんなワケで、何度も読み返している石田さんの本の中でも一番初めに読んだのがこれで、その中で2箇所、やっぱり「俺もぜったに行くぞ」と思ったところがあるわけです。

1個はユーコン川。静寂のユーコンを1週間くらいかけてカヌーで下ってみたい。

 

そしてもう1個がこのブログ記事の本題なのだけど、

(「おいおい!ここまでの何十行はただの前置きかよ?」って?うん前置きなんだけどさ)

石田さんが

「あ、やっぱりダメだ。もう一泊してこの景色をずーっと見ていよう」

とテントでの自転車旅の足を強引にとめて数日間とどまらせてしまったという絶景。

それがアメリカ西部ユタ州のモニュメントバレー。

 

で、先に謝っとく。

「え?オチそれ?」と言わないで。

厳密には仕事なんだけど、来週モニュメントバレーのレースに行ってきます。

はい。ただそれだけ。

永住するとか、木を切り出してログハウス作るとか、先住民とRUN対決とかないから。

(長々と失礼しました。でも↑読みたくなったでしょ?ウルトラなあなたや、旅好きなあなた、ぜひ読んでみて)

 

そのMonument Valley Uitra Trailレースの公式サイトはこれね。

↑見るとわかるけど、このレース、Grand Circle Trail Seriesというシリーズ戦のひとつで、他にこの辺りのトレイルレース6個で年間シリーズになっています。

実は岩本も過去に、

ZIONの100マイル

GRAND CANYONトレイル

BRICE CANYONトレイル

(以上↑オフィシャルサイト)

の3レースはすでに走っています。

悲壮感ゼロのアッケラカンと楽しいレースばかりなので皆さんも

「どこか海外レース走ってみたいな」

と思ったら選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。

このシリーズレース、もちろんUTMFのポイントも獲れますよ。