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暑さ慣れ(暑熱馴化)

 

 

引き続き暑さについての記事です。

と思ったら東京21℃じゃん。超快適(笑)。

のど元過ぎれば文字通り「暑さ」忘れるワケで、今日のこの気候にテーマの暑熱馴化の記事なんかいらないか、とよぎったのですが台風13号が去ればまた猛烈な残暑に見舞われること必至なので続行しますね。

 

の前に・・・、

昨日不用意にアップした↓heat index↓について、何これ?という声が少しあったのでこれ、先に説明しますね。

どうでもいい人は飛ばしてください。

これ↓ね。

 

最上段の横軸が気温(残念ながら華氏表示°Fです)

最左列の縦軸が湿度(これは日本と同じ単位『%』です)

で、例えば気温95°F(35℃)で湿度50%だったら↑の最上段95と最左列50%の交わった所の数字『107』が実際の体感的な温度だよ、というように見ます(ちなみに107°Fは41.7℃)。

では、華氏100°Fって摂氏何℃なの?または摂氏30℃は華氏何°F?の換算サイトはコチラです。

 

 

さて、せっかくなので昨日の記事で出した7月23日の東京と那覇の例を↑のheat indexに超ザックリですが当てはめてみましょう。

 

A・最高気温39.0℃ 最低湿度32% ←東京

B・最高気温31.7℃ 最低湿度72% ←沖縄

 

東京

 

那覇

 

というように実際の感覚としては東京が104°F(40℃)、那覇が106°F(41°F)となります。

もはやどっちがキツいというレベルを超えて尋常ではないのは判るのですが、実際両地点で7℃以上も差があるのに湿度の関係で体感的には逆転現象が起きている、ということが見て取れます。

 

それますが4月に僕が走ったBadwater salton seaは気温38℃(100°F)でしたが湿度が20%と低かったのでこのheat indexに当てはめると体感的にも38℃となり、上の両地点よりもはるかに快適に走れていたことになります。

 

 

さて、本題の暑熱馴化についてです。

ここから先は一般的に医学の世界で言われていることと大きくズレることも多々なので、ご利用は計画的にお願いします。

まず、そもそも暑熱馴化は何かですが、

「暑い時期に暑さに対応するためにするためのものではい」

のです。

ですから、

「6月の東京に住み、このまま東京に住み続けながら8月の東京でのレースに備える」

ためのトレーニングは暑熱馴化ではありません。

少し乱暴な言い方ですが、住み続けて走っていれば勝手に馴化しますし、特別なことは必要ありません。

(一応補足すると、練習は日射がない夜だけでレースはぴーかん、とかはなし。ちゃんと昼間も日を浴びて走ることが前提)

 

スポーツ界における本来の意味での暑熱馴化とは、例えば日本では冬である12月に暑いホノルルマラソンに行ったり、やはり冬である12月に東京からNAHAマラソンを走りに行く、という場合に行う暑さ慣れが暑熱馴化です。

またはまだ身体が暑さに慣れていない4月2週に突然30℃近くにまで上がる長野マラソンやかすみがうらマラソン、6月のしばまた100kやサロマ湖ウルトラなど突発的に高温になるレースに対してもそうです。

さらには、ちゃんと30℃ある夏の日本から45℃とかになる欧州のレースに行く場合なども暑熱馴化といえるし、必要だと思います。

 

では暑熱馴化の目的は主に、

・汗腺の開通度アップ

・水分貯蔵量アップ

・水分吸収速度アップ

です。

細かいことを言えば、突然の日射に対応する日焼けなども暑熱馴化とは違いますが、レースの準備としては近いかもしれません。

上で同じ場所に住んで季節を追えば自然と対応できるので馴化は必要ないと書きましたが、この日焼けを例にとると、真冬の日本から突然南半球のリオの街を歩き回ったら大変ですけど、日本が夏でちゃんと日中ある程度紫外線を浴びていれば紫外線トラブルに対応しうる下地が出来ているので余程度を超さない限り問題ない、というのと近いかもしれません。

もちろん、汗腺や水分貯蔵量、吸収速度と紫外線対策は別物ですが、季節の流れの中で自然と馴化される要素もこのように多々あるのです。

 

ここからはある程度走る僕の個人的な感覚と周囲を観察してみての予断が多く混ざるのでアレですが、日常的に走っていれば(週2回、月間150km程度)多分アタリです。

 

この

・汗腺の開通度アップ

・水分貯蔵量アップ

・水分吸収速度アップ

実際は2日あれば充分です。

医学の世界では10日〜2週間と言われていますが、多くのお医者さんランナーも体感的には2日あればよし、と言っています。

では方法として2日間で何をすればいいのかですが、

・レース開催時間に合わせてレースと同条件(出来れば開催地)で身体を冷やしながら、水分を摂りながらゆっくり30〜120分のジョグ

・レース開催時間と前後2時間以上(合計8時間程度)をレースと同条件(に近い)環境で過ごす

こんな感じでしょうか。

(ミネラルは?とかウェアは?とかは論点が違うので触れません)

 

そんなんでいいの?

と思われそうですが、これは目的である

・汗腺の開通度アップ

・水分貯蔵量アップ

・水分吸収速度アップ

を図るためのもので、暑さに強くなるとか暑さを苦にしなくなることが目的ではなく、生理的に「走れる」状態にする、という意味です。

というのも、後で触れますが暑さに強くなるとか暑さを苦にしなる、というのはほぼ先天的な身体の性能の部分なので鍛錬でどうにかできるほどの伸びシロは期待できるレベルのものではありません。

 

↑な感じで最低限、(その人の夏場の潜在能力の範囲で)走れるようになるというレベルです。

そして上で触れなかったもう1つの目的が実はけっこう重要です。

 

・暑さに脳がパニクったことによって発せられるストップ信号をよりエグいレベルまで出させないようにする

 

ことです。

走っていれば冬場でも体温は40℃を超えます。

血液は43℃で凝固し始めます。

血液温43℃まで走り続ければ多分死にます。

もちろん、人の身体にはセンサーがついていて四六時中血液温度を監視していますし、血液温度を下げるための機能がいっぱいです(それらに直結するのが上の3要素でもあります。というか、そのためにこの3要素をアップさせるのですが)。

それますが、そのセンサーは後頭部下部にあり、頸動脈や、頭の内部の血管など近くを流れる血液の温度を見張っています。

もし、そこを流れる血液の温度が43℃に近づく危険を察知したらどうなるか・・・、

「暑いだるいキツい重いもうイヤ」

「歩きたい止まりたい座りたい眠りたい」

「やめたいやめたいやめたい」

という信号をガンガン発信してその「身の危険に近づけようとしている運動」、つまりランをやめさせようとします。

昨日の記事のリンクでも紹介しましたが、首を冷やすと気持ちよく走れたり、レース中のシャワーで生き返るのはそのセンサーが安心してゴーサインを出すからです。

 

ただ、この暑熱馴化を行うことで「ある程度」(人によって大差があります)はセンサーが過剰反応をしなくなり、「走るのやめろ!」という信号を出すタイミングをもう少しエグいレベルになるまで待ってくれます。

これも大きな目的のひとつです。

 

と、これで以上なのですが事例を挙げて終わりたいと思います。

 

2010年にBadwater135という50℃当たり前という135マイルのレースに出ました。

惨憺たる結果はご存知の方も多いと思うので省きますが、過去7回の僕のBadwater135では最悪のリザルトでした。

では暑熱馴化をどのようにやったのか・・・、

7月に行われるレースゆえ、鍛錬機は3〜6月。

当然日本では暑くなっていません。

そこで6月の終わりに2週間ほどオアフ島で暑熱馴化合宿をしました。

もうお分かりですよね。

気温は高いけれど、日本の梅雨時の方が湿度が低く乾燥したオアフ島よりはるかに暑さ対策になります。

つまり僕は暑熱馴化合宿と称した避暑合宿を行っていたのですね。

その後、6回ほどこのレースに出ましたがスパルタ優勝者、24時間走世界チャンプなどそうそうたる面々が走りましたが、ほぼ例外なく現地入りはレース2日前です。

それぞれ30℃の生活圏で練習をしてきているとはいえ、やはり50℃は別物、せめて1週間は早い方がいいのでは?とも思いますが、あのレジェンド、ブラジルのヌネスでさえ冬のサンパウロからも2日前でした。

彼らがそれで充分順応したかどうかは、2度目、3度目の参戦でも2日前入りだったところを見るとおそらく問題なかったのでしょう。

また、このレースの長い長い歴史の中で参加者たちが経験則で構築してきたノウハウもまた2日前入りがスタンダードです。

(中には1日前入りというビックリなランナーもいますが)

 

ちょっと待って、それってトップアスリートの話じゃなくて?

いい質問です。

このレース、参加するには1台のサポートカーと2人以上のサポートクルーを付けなければなりません。

ランナーはある程度のツワモノどもですが、クルーはジョガーだったり、選手の家族だったり、と割と普通の人たちです。

着いた瞬間はパニクってますが、朝6時頃に起きて35℃くらいの中を普通に朝ランしたり、レース中も焦がされたアスファルトの上を場合によっては選手以上に走り回るのです。

馴化期間は選手と同じ2日間。

まぁ、そんな感じです。

 

最後に、暑さには強くなることも馴れることもなく、ほぼ先天的適性、ということについてですが・・・、

と思ったのですが、めんどうなので今日はこれでおしまい。

また書きます。

(気が向いたら)

 

 

 



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