瑠利・・・、
西川口のスナックではない。
船橋のパブでも平塚の美容院でも、アラモアナのお好み焼き屋でもマンハッタンの寿司屋でもない。
瑠利はランナーだ。
ランナーと言ってもフォアボールで出塁して、
調子こいて『リーリーリー!』とか言いながら、
言ってるそばから牽制球でアウトになったりする、あのランナーではない。
瑠利はマラソンランナーだ。
去年の2月、入って来た。
『 わたし、忙しくて練習会にあまり出られそうにないので・・・ 』
と、20回の回数券会員でのスタート。
僕は思った。
このコは3時間半で走れるかもしれない、と。
理由のひとつは、顔がそのまま3時間半でマラソンを走ったことのあるクルム伊達公子だったからだ。
もうひとつは・・・、・・・・・・・・・・・・・・う〜ん・・・・・・・ない。
話は変わるが、彼女の嘆きを僕はよく耳にしていた。
る 『 いわもとさん、私今日も知らない人に言われちゃいました 』
い 『 なんて? 』
る 『 瑠利さんかと思ったら、なーんだ、クルム伊達公子かよ って 』
話を戻そう。。。
忙しくて練習会に出られそうになかった彼女、
確かに本人が言う通り、ものすごくたくさん練習会に参加してきた。
月に一度参加出来たらいいのだけど・・・、
の言葉通り、去年後半などは月に10回ほど参加。
そういう意味では本当に正直者だ。
8月の北海道マラソン、4h16'
あ、こりゃ3時間半はクルム顔だけか・・・と僕は自分の見通しの甘さを感じだ。
そして秋、つくばマラソン。
沿道に立つ僕を見つけ、
『 いわもとさ〜ん! 』
大声で名前を呼ぶランナーがいるではないか。
『 なーんだ、クルムかよ 』
いやいや、よく見たら瑠利ではないか。
『 俺のことはいいから前見て走れよ! 』
『 は〜い!』
いや、返事もいらないから。
そして折り返し。
またも僕を呼ぶ。。。
あぁ、タイムロスだな、こりゃ。
そしてゴール1km前の地点。
『 いわもとさ〜ん! 』
いいから急げっ!
返事もいらないから!
この3回のロスタイムは推測するに約29秒。
いや、あらゆるところで沿道の知人に声を掛けまくったのだろう。
ゴールタイム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3h15'29"
あぁ・・・・ちゃんと走っていれば315切れた・・・?、うぅ29秒。。。
迎えたおとといの東京マラソン。
3h13'34"
国際女子マラソン資格ゲット。
ケガで思うように走れなかったり、諦めて投げ出す理由はいくらでもありました。
顔では笑っていながらも必死に取り組む姿勢、頭が下がります。
おめでとう。晴れ舞台を思いっきり楽しめ!
以下、本人の日記後半部の抜粋。
================================
40kmでついいに膝にスカッっと力が抜ける感触。
ここでキタか〜〜〜。
お願いだからもうちょっと我慢してね、とお願い。
あと2kmちょいなんだから。
最後の上り坂は見事、5分/kmかかり(たくさん抜かれる・・・)
3時間15分2秒(涙)とか、、そんなゴールを想像しつつ
やっと見えたゴールゲートのタイムは
3時間12分。
やった。
もう間に合う。
3時間13分台でゴール。
いつもはゴールしても泣かないんだけど、さすがに今回は泣けました。
つくば以降、思うように走れない不安の中、無事スタートラインに立て
ゴールまで走り抜けたこと。
弱音を吐いたら岩本さんから死刑判決を受けたこと。
「大丈夫、315いけるよ!」といつも励ましてくれた☆仲間のこと。
36,000分の1人を応援しに来てくれた母のこと。
ゴール後、誰かと喜びを分かち合いたかったけど、誰にも会えず。。
号泣を避けることができました(笑)
すべての人に感謝です!
ありがとうございました。
そして、Junさんと同じ日に国際基準クリアできたこと、本当に嬉しいです!!
================================