ウルトラシーズン間近。
100kmレースを「納得できるもの」(実力を出し切る)にするのは非常にシンプルです。
それぞれ考え方はあると思いますが岩本が考えるに、
「何km地点までレースになっていたか」
が最も重要だと思います。
「レースになる」・・・、
スタートから保ってきたペースを維持できなくなった地点までをレースと定義すると解りやすいかもしれません。
100kmですからスタートからゴールまでペースダウンせずに走れる人はほんのひと握りです。
残りの多くのランナーは残念ながらゴールよりも前で大きくペースダウンします。
その、「大きくペースダウンする」状態が一般的に言われる「つぶれる」という状態。
何km地点までつぶれずに走れるかを追求することが、100kmレースを成功させるポイントかもしれませんし、また最大の醍醐味でしょう。
同じペースで走り出した以上、50km地点からペースダウンするより60km地点、70km地点までもった人の方がはるかに速いタイムでゴールできるし、「つぶれ後」のいわゆる消化距離(皆さんがよく言う「修行」とか「移動」とか「地獄」)が格段に「短く」「ラク」になります。
つまり、フル同様やはりここでも重要になってくるのがレースペースです。
レースペースの決め方です。
直近のフルマラソンタイム × 2.7 = 潜在的100kmゴールタイム
です。
(練習量、補給、その他、すべてうまくいけば、が前提です)
ここで出てきた数字を100で割れば1km毎のペースが出ます。
そのペースでどこまで行けるか、ということ。
レースペースが決まれば、やることはそのペースで何km地点までいけるのか、を追求するのみです。
フルシーズン終了後、100kmレースまでに皆さんがしているその練習は何が目的なのか。
レースペースを上げること
が目的ではなく、
導き出されたレースペースを何km地点まで維持出来るか
を追求しているのです。
直近のフルが3時間45分だった場合、
3時間45分 × 2.7 = 10時間07分
この10時間07分が 3時間45分 でフルを走る人の ゴールタイム目安です。
もちろん、つぶれなければ、の話です。
10時間07分 ÷ 100 = 6.07分
この 6.07分 がおおよそのレースペースです。
つまり1kmを約6分で走り続けることが、より遠くまで「つぶれず」に走ることの出来るペースです。
繰り返しますが、フルシーズン終了後のあなたが日々取り組んでいる練習は、この1km約6分というペースを上げるためではなく、1km約6分をいかに遠くまでもたせるか、が目的だということです。
では何をすればいいのか・・・、
週イチのロングではこの1km約6分を絶対に超えず、また速くなりすぎずに距離を伸ばすこと、です。
5’45”/km 〜 6’00”/km のペースを維持し、毎週毎週距離を伸ばしていく。
仮にこのペースで70kmまでいければレースでも少なくとも70kmまではレースになるはずです。
だからこの レースペース で いける距離をいかに伸ばすか が とにかく重要。
5’30”/kmで50km走の練習をするよりもはるかに重要で効果的です。
もちろん1km約6分という設定もも、70kmという距離の練習も目安です。
速く短く より レースペースでより長く が近道かもしれません。
ご利用は計画的に。