本当はそんなことないのだけど。
補給なんかなんだっていい?
と思えるようなブツを昨日!発見。
あるランナーのスパルタスロンの補給物メモでございます。
本題に入る前にちょっと補足。
スパルタスロンは全行程246kmのコース上に74ヶ所のエイドステーションがあります。
大きなエイドでは火を使った食事があったり、小さなエイドではカットしたオレンジと水だけ、など、エイドの規模に合わせて色々置いてあります。
大きなエイドは9ヶ所。
残りの65ヶ所はよくて固形物が2〜3種類と飲み物が1〜3種類。
そんなわけで、多くのランナーが事前にエイドに補給物を置いておくことが出来ます。
平均15ヶ所くらい?ヒトによっては30〜40ヶ所も置く場合もあります。
補給物だけでなく、夜間のライトや着替えなども事前に置いておきます。
本題に戻りましょう。
そのランナーの補給物メモ、ゼッケンに付けられていました。
そりゃ、何ヶ所も置くわけですから、何番エイドに何を置いておいたかを手元で簡単に知る必要があるからです。
これ ↓ そのゼッケン。
↗にぶら下がっているのが補給メモ。
この中身、ある意味衝撃的。
ランニング用に作られたものが実に1個もない。
これ ↓ です。
小学生並みの拙い文字がひど過ぎるのでちょっと書き出してみましょう。
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10 カロリーメイト 注)缶
20 カロリーメイト
25 ウィダー 注)ウィダーinゼリー
30 野菜J ライト 注)野菜ジュース缶、夜間走行用ハンドライト
35 服 カロリーメイト キガエ 注)着替え用のウェア
40 カロリーメイト
45 ウィダー
50 野菜J
52 カロリーメイト
55 リポD
60 カロリーメイト
65 野菜J
70 リポD
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こんな感じです。
10や20の数字はエイド番号(ちなみに10は40km地点、20は81km地点)
末尾が0、5が多いのは単純にキリがよくて思い出しやすいから。
はじめに断っておくと、それぞれの商品は用途に合わせてしっかりと開発されたもの。
ゆえに食品としてはとても優れたものです。
が・・・、これを見た多くのウルトラランナーは多分、「あ…ちゃぁ・・・」が第一印象ではないでしょうか。
RUN用に作られた、例えばエナジージェル、エナジーバー、スポーツドリンクなどは一切ナシ。
こんな(ある意味いい加減な)補給物で参戦していたのですね。
この当時(2003年)はまだ夜間未舗装ダート区間が合計16kmほどあったのに、ちゃんと27時間23分。6位でゴールしています。
『 補給なんかなんだってい〜〜〜〜じゃん! 』
ですよね。
ま、そーゆーことです。
ここで2つ言えることがあるのですが・・・、
1個目、 こーゆー補給でもなんとかなる、って可能性があること。
→なんとかなるうちはゴチャゴチャ考えずにガンガン頑張れ。
2個目、 もっとちゃんと考えて準備していればもっといいタイムでいい順位だったかもしれないということ。
→大半のランナーは「モノ」に頼ることでレースを有利に運ぶことが出来る、ということ。
【補足】
BCAAサプリ(当時は「アミノバイタル3600」)と「ロキソニン」はエイドに置かず、ウェストポーチに入れて走っていました。
BCAAサプリは90分に1包を摂取、ロキソニンはスタート後8時間、以降6時間ごとに服用。
今となっては、やっぱりこの補給、「あ…ちゃぁ・・・」なんですけどね(笑)。
余談ですが、多くのランナーがエイドに置くレトルトのお粥は当時すでに使っていません。
レトルトお粥、250g全部を食べても摂れるエネルギーはわずか85カロリー前後。
(いや、レトルトお粥が悪いではないです。でもお粥の目的は「エネルギー摂取」というよりは、「脱水対策」だと思うのです。お粥の使われ方って栄養補給というより水分補給ですもんね。だから風邪のときやダイエット時に活躍するわけです)
さてさてそんなあるランナー、12年経った今はすっかり頭頂部も寂しくなりながらも、色んな「モノ」に頼りながらあるかなきかの大復活を夢見て日々、ムダな抵抗を続けているそうです。
アーメン。。。